手塚治虫という漫画家をご存じでしょうか。
1989年にお亡くなりになられているので既に30年以上前になってしまいますが
漫画の神様と言われた、ものすっごい人です。
正直私は今でもこの方を超える漫画家はいないんじゃないかと思っています。
手塚治虫ご自身でも「アイディアはバーゲンセールしてもいいぐらい
どんどん沸いてくる」とおっしゃっていたようなのですが
その通りというか、まぁストーリー展開が面白いのが多い!
どうすればこんなストーリー考えられるんだろうって思っちゃうぐらいです。
今回はそんな手塚治虫の代表作である火の鳥についてご紹介しようと思います。
火の鳥との出会い(書きたいだけです)
私と手塚治虫の漫画との初めての出会いは小学校1年生ぐらいの時、小学校の図書館でした。
そもそも小学校の図書館に漫画が置いてあるというのに衝撃を受けたのですが
逆にそのせいで「小学校の図書館に置いてあるような漫画はそんなに面白くないだろう」という偏見がありました。
そのため手塚治虫の漫画は、知ってはいるけど読んだことはありませんでした。
そんな中私が小学校中学年の頃入院したことによって初めて手塚治虫の漫画を読むことになります。
幸い大病を患っていたわけではないため入院中はホントに暇でした。
それを見かねたのか親が暇つぶしに手塚治虫の火の鳥を買ってきてくれました。
上記で書いた通りそんなに面白くないだろうと思っていた私は
ぶっちゃけ内心、こんなのより他の漫画買ってくれよーって思っていました。
ただ本当に暇だったしとりあえず読んでみようということで読み始めたのですが
読み進めていくと、どんどん次の展開が気になってくるんです。
どうして展開が気になるかと言うと主人公が絶望的な状況にどんどん追いやられていくからです。
あんなにかわいらしい絵なのにどんどん悲観的な展開になっていくあのギャップが魅力的なんです。
以下ではそんな絶望的な状況に追いやられる展開の話を3つご紹介します。
ただし、ネタバレ防止のため詳しくストーリーは書きません。
また以下でご紹介するストーリーは全て1話完結しますし、最終的にはスッキリするようなお話しです、多分…。
火の鳥 生命編
クローン技術が発達した未来でテレビプロデューサー青居が
クローン人間をハンターに殺させるという企画を思いつきます。
この企画を半ば強引に実行していった結果、
青居自身が悲惨的な状況に追いやられていきます。
この青居がまぁ嫌な奴なんですよ。
ザ・しっぺ返しというような展開が最初は気持ちいいのですが
終盤にいくにつれて少しづつ悲しくなっていきます。
クローン人間を殺してもいいのかどうかという倫理的にグレーそうな問題を
あの当時に既に思いついていたというのがまずすごい。
ストーリー的には王道なのですが、ぐいぐい惹きつけられる展開なので
どんどん読み進めてしまうこと間違いなしです!
火の鳥 異形編
戦国時代、不思議な力を持っている尼さんを、とある理由から殺そうと企む主人公、左近介。
左近介は尼が住んでいる山奥の寺を訪れ、いとも簡単に尼さんを殺してしまいます。
しかし、尼さんを殺してから不思議な力が発生し寺から出れなくなってしまう。
なぜ寺から出ることが出来なくなってしまったのか?どうすれば寺から出れるのか?
終盤で分かるその理由が非常に面白いです。そういうことか!と分かった時に
なんともいえない絶望感というか虚しいような気持ちになっていったのですが
その気持ちは他の漫画では味わったことがなく、とても印象的でした。
私が読んだ全ての漫画の中で一番といっていいくらい
ストーリー展開がすごい!と思った作品がこの異形編です。
話の内容は分かっているのですがたまに無性に読みたくなるので定期的に読んでいます。
ちなみに最近YouTubeを見て分かったのですが、あの有名なプレイステーションゲーム
「moon」の没エンディングは確実にこのお話が元になっています。
YouTubeで検索して見てもらえば分かるのですが…絶対そうです 笑
ということで最近活躍しているクリエイターの方にも影響を及ぼしていることからしても
一度は読んだほうがいいお話だと思います。
火の鳥 未来編
私が火の鳥の中で一番好きなお話がこの未来編です。
技術が発達しすぎた未来、人間は地下に住んでいました。
地上は汚染され、住むことが不可能になったためです。
そのため世界の地下5か所に都市を作り、人類はそこで暮らしていました。
ある時、その地下都市間で核戦争が起きようとしていました。
地下都市で核が爆発すればその地下都市に住む人類が
滅亡するのは確実だったため主人公のマサトは核戦争を阻止しようとします。
果たしてマサトは核戦争を阻止できるのか?
…ということでこの話は何度も絶望的な展開が続くため
私は初めて読んだ時は目が離せずに一気に読み切りました。
またストーリー上で時間の流れがものすごいことになっているせいか
実際に読んでいる時間もそんなではないはずなのに
なぜかめちゃくちゃ長く感じました。
この作品については次の展開が全く予想できませんでした。
「予想を裏切る展開」って言葉は色々な映画の予告とかで使われていますが
もはやそんなレベルではなく予想すら出来ない展開なんです。
しかも、これがどんどん惹きつけられるんですよね、面白い。
ここまで面白いストーリーには未だに出会えてないと思えるぐらいです。